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主な感染症・疾患
地域別情報A型肝炎
地域別情報B型肝炎
地域別情報日本脳炎
地域別情報黄熱
地域別情報狂犬病
地域別情報チフス性疾患(腸チフス・パラチフス)
地域別情報ジフテリア
地域別情報破傷風
地域別情報ポリオ
地域別情報コレラ
地域別情報髄膜炎菌性髄膜炎
地域別情報マラリア
地域別情報インフルエンザ菌b型
地域別情報高山病


A型肝炎
  • ピコルナウィルスに属する A 型肝炎ウィルス( Hepatitis A virus )に汚染された水や食物を摂取することで感染する。加熱不十分な貝類が代表例。
  • 潜伏期間は2〜4週。
  • かぜ症状、発熱から始まり,倦怠感、食欲不振,黄疸が発生する急性肝障害となる。劇症化することもある。
  • 旅行者が最もかかりやすい感染症であるため、予防接種が推奨される。
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B型肝炎
  • ヘパドナウィルスに属する B 型肝炎ウィルス( Hepatitis B virus )の感染によって生じる。
  • 血液や血液製剤、体液を介して、同性間/異性間の性交渉、注射器や注射針(医療従事者、薬物使用者)によって感染する。母児感染もある。
  • 急速に発生した倦怠感、食欲不振から急性肝障害を来たす。劇症化することもあり、長期的には、肝硬変、肝臓がんへの進展の可能性が問題となる。
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日本脳炎
  • ブタを刺した蚊(イエカ)を介してフラビウィルス科日本脳炎ウィルスが感染する。
  • アジアで最も流行する流行性ウィルス脳炎。
  • 潜伏期は6〜16日
  • 頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、めまい(小児では腹痛、下痢)から始まり、興奮,意識障害,脳神経麻痺などが出現。死亡例も多く、死亡を免れても後遺症が残る可能性が高い。
  • 治療は対症療法のみで、予防接種が重要。
  • 蚊に刺されないよう肌の露出を防ぎ、虫除けスプレー、蚊とり線香など十分な対策をとることが肝要。
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黄熱
  • 蚊(ネッタイシマカ)を介したフラビウィルス科黄熱ウィルスの感染。
  • 北緯15度〜南緯15度の熱帯地方で、雨期に流行する。(過去にアジアでの発症はないが、今後は不明。)
  • 潜伏期間は3〜6日。
  • 軽症は、発熱,頭痛、全身の筋肉痛、吐き気、嘔吐、目の充血。
  • 重症になると、24時間以内に症状が消えた後に、再度症状が発生し,腹痛、黄疸、腎機能不全、出血傾向(鼻、歯ぐき、皮膚、腸管からなどから)多臓器不全となり、7〜10日で死亡する。
  • 予防接種が重要で名古屋検疫所をはじめ、各地の検疫所で実施されている。
  • 蚊に刺されないよう肌の露出を防ぎ、虫除けスプレー、蚊とり線香など十分な対策をとることが肝要。
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狂犬病
  • ラブドウィルス科狂犬病ウィルス( Rabies )が原因
  • 野生のほ乳動物(イヌ、ネコ、キツネ、アライグマ、スカンク、コヨーテ、コウモリなど)や室内ペットに咬まれたり、引っ掻かれたりした際に、唾液を介して感染する。ウサギ,リス、ネズミは感染によって生存できないためこれらから感染する可能性は低い。
  • 潜伏期間は20〜90日だが、短くて5日、長くて年余に及ぶことがある。
  • 特徴的な前駆症状なし(発熱、悪寒などのみ)。病気が進行すると体の麻痺が生じる。視覚、聴覚が過敏となり、水の音が刺激となって嚥下筋がけいれんを起こす“恐水症(狂犬病に特有の症状)”が出現する。最終的には昏睡から死にいたる。
  • どのような動物にでも咬まれたり、引っ掻かれた場合には、すぐに傷口を多量の石けんと水、可能であれば、ポピオン - ヨードで十分に洗う。(これで発症リスクは大幅に減少)さらに、現地の病院・保健機関で処置を受け、引き続き帰国後も、かかりつけ医や病院で予防処置を継続することが必要。
現在、国産ワクチンが不足しており、 厚生労働省の通知により国産ワクチン接種対象者は以下に限定されています。代替として、輸入ワクチンを取り扱っておりますので、事前(暴露前)接種については、輸入ワクチンを使用いたします。
  1. 狂犬病の流行地域からの帰国者でイヌ等にかまれた者。
  2. 犬病の流行地域に渡航するもので、イヌ等に接触する可能性が高い者。
    (危険地域:インド、パキスタン、中国、バングラディシュ、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、ウガンダ)

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チフス性疾患(腸チフス・パラチフス)
  • チフス菌( Salmonella typhi )やパラチフス菌( Salmonella paratyphi A )が原因菌
  • 潜伏期間は約2週間
  • 発熱が主症状。その他、徐脈・脾腫・バラ疹
  • 日本国内では稀だが、東南アジアなどで多い。個人旅行は、ツアー旅行よりもリスクが高い。
  • 水(井戸、水道、河川・湖・プールの水、屋台の食事など)、ジュース、生野菜、生鮮/加熱不十分な魚介類が主な感染源
  • 当院では、輸入ワクチンによる予防を推奨しています。詳細については、お問い合わせください。また抗菌剤の携帯も検討する必要があります。
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ジフテリア
  • ジフテリア菌( Corynebacterium diphtheriae )が人の咳,会話,皮膚病変を介して飛沫感染する。
  • 潜伏期間2〜6日。感染により、かぜ症状から気道閉塞(クループ)が起こる。あるいは菌が産生する毒素により、心臓(心筋炎)、神経(末梢神経麻痺)に障害を来す。
  • 予防はワクチンのみ。
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破傷風
  • 世界中の土壌に生息する破傷風菌( Clostridium tetani )による感染症。
  • 泥のついた木などで起きる傷口から感染、産生された毒素が神経症状をもたらす。
  • 首筋が張る、舌がもつれる,ものが噛みにくい初期症状の後,開口障害が生じ、全身けいれんへと移行する。予防はワクチンのみ。
  • ワクチンの効果は高いため、予防接種が推奨される。
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ポリオ
  • ピコルナウィルスに属するポリオウィルス( Poliovirus )が原因。
  • 感染者の糞便や唾液に排泄されたウィルスを口にすることで感染する。
  • 潜伏期間は6〜20日。
  • 感染しても約90%は症状なく終わるが、約1%で髄膜炎、1%未満で麻痺型ポリオを発病する。
  • 2〜3日のかぜ症状の後、急性弛緩性麻痺(左右非対称)。
  • 治療法がないため、ワクチンによる予防(場合により定期接種終了者の追加接種)が必要。
  • 当院では、輸入ワクチン(注射式不活型ワクチン)を使用します。
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コレラ
  • 毒素(コレラ毒素)を産生するコレラ菌( Vibrio cholerae )に汚染された飲食物を介して感染する。
  • 潜伏期間は1〜5日
  • 『米のとぎ汁のような』水様の下痢、嘔吐により急激な脱水をもたらす。
  • 止瀉薬(下痢止め)は使用しない。
  • 当院では、輸入経口ワクチン Dukoral による予防を推奨しております。
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髄膜炎菌性髄膜炎
  • 髄膜炎菌( Neisseria meningitides )が原因菌
  • 潜伏期間は1〜10日。
  • 日本では見られないが、サハラ砂漠周辺のアフリカ諸国(エチオピア/スーダン/チャド/ナイジェリア/ベナン/ガーナ/マリ/セネガルなど髄膜炎菌ベルトと言われる地域)や中近東のみならず先進国でもしばしば流行する。(アメリカ、イギリスでは小児の定期接種になっている。)
  • 健康保菌者(症状はなくても菌をもっている人)あるいは発病者から接触/飛沫感染する.
  • 主に発熱・頭痛・吐き気・発疹(主に紫色)・意識障害・痙攣などの症状が出現する。
抗菌薬の予防投与の対象とされるのは以下の場合です。
  • 病気が発症した人の家族
  • 発症前7日間に、病気が発症した人と接触のある同じ保育園・幼稚園の通園児童
  • 発症前7日間に、キスや歯ブラシなどで病気が発症した人の気道分泌物と直接接触がある場合
  • 発症前7日間に、病気が発症した人に mouth-to-mouth で心肺蘇生を行った場合
  • 発症前7日間に、病気が発症した人といっしょに寝た場合

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マラリア
  • 蚊(ハマダラカ)を介して Plasmodium 属原虫( Plasmodium vivax, P. malariae, P. ovale, P. falciparum の感染が原因。
  • 潜伏期1週間〜1ヶ月(もっとも重大な結果をまねく可能性のある熱帯熱マラリアP. falciparum の場合)。
  • 2〜3日ごとに反復する発熱発作が特有の症状。
  • 蚊に刺されないよう肌の露出を防ぎ、虫除けスプレー(DEETが10〜35%含有のものが最適)、蚊とり線香など十分な対策をとることが肝要。夕刻から日の出までの時間帯に屋内にて蚊の活動が活発になるため、蚊帳が有効。
  • 予防薬の内服は、感染の危険性、渡航の日程(流行地域の滞在期間)をもとに検討が必要。
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インフルエンザ菌b型
  • 上気道に常在する細菌であるインフルエンザ菌( Haemophilus influenzae )が原因。
  • 気道からの局所感染から、中耳炎・副鼻腔炎・気管支炎・肺炎などを起こす。
  • 血液を介する全身感染では、髄膜炎・咽頭蓋炎が高頻度に起きる。その他、骨髄炎・心外膜炎・化膿性関節炎など。
  • 小児の細菌性髄膜炎の50%以上は、この細菌によるもの。
  • 後遺症や死にいたる例も少なくない。
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高山病
  • 高山病は『山酔い(AMS)』『高地脳浮腫(HACE)』『高地肺水腫(HAPE)』に分類される。高地環境に順応していない人が標高 2,000 メートル以上の高地に移動した際に生じる。標高が高くなるにつれ、発症の危険性は高くなる。高齢者などでは標高 1,500 メートル程度でも発症する場合がある。老若男女を問わず、誰でも起こりうる。体力への過信は禁物で、重症例は、屈強な若年層に多い。
  • 単に、登山によるものだけではなく、海外旅行の目的地そのものが高地にある場合(南米やスイスなど)、飛行機から降り立ち、街を観光するだけで発症する可能性がある。南米ツアー、中国奥地ツアー、スイスツアー、ヒマラヤトレッキングなど、世界的に見ても、十分な知識を持たない日本人の発病、死亡例が多い。
  • 『山酔い(AMS)』では、頭痛、消化器症状(食欲不振、吐き気、嘔吐)、不眠、めまい、ふらつき、疲労感、倦怠感がひとつでも生じると診断される。命に関わる事はない。
  • 『高地脳浮腫(HACE)』『高地肺水腫(HAPE)』は、意識障害や呼吸困難などといった症状を呈し、死亡につながるため、緊急の対応を要する。
  • 治療の基本は、低地への移送、酸素補給。
  • 症状が見られた場合、まずはそれ以上登らずに安静にし、高地の環境に順応させる。可能な限り、早急な低地への移動が必要。
予防法は以下の通りです。
  • 高山病の存在を認識し、十分に理解する。
  • 予防薬を必ず準備する。
  • 登山の場合は、時間をかけて高度を上げる。宿泊地の標高で、標高 2,500 メートル以上では、高度の上昇を1日 600 メートル以内にとどめる。
  • 高地での観光の場合は、入国する前からの予防薬の内服を忘れない。
  • 高地到着後に散歩、深呼吸などで環境への順応に心がける。到着後、すぐに就眠しない。
  • 飲酒、喫煙、睡眠薬内服を避ける。
  • 十分な水分・栄養補給をし、過労を避ける。